前回これらの記事で遅延について少し検証してみました。
今回は、ブラウン管と液晶モニタ、HDMI出力とアナログ(VGA)出力に絞って追加検証してみます。
というのも家を整理していたら、押し入れの奥から昔使ってたHDMIとVGA両対応のモニタが出て来たんですね。もう十数年前の品ですが、一応応答速度の数字は気にしていてゲーム使用に耐えうる機種ではあったはずです。
こいつと、新たに仕入れた、HDMIとVGA出力(ついでにパラレルポート)を兼ね備えた究極の天則ReadyPCを用いて検証してみたいと思います。
一応前回の検証の結論としては、液晶モニタとブラウン管では案外遅延に差は無いという結果でしたが果たして…
使用するソフトはLCD Delay Checkerというソフトになります。
これは画面中に1F単位で動く光点や数字を表示してくれるツールで、clone表示で他のモニタに出力すれば遅延の差が見れるという寸法です。
検証1 液晶モニタとブラウン管には本当に差は無いのか
まずはノートPC標準モニタとブラウン管に繋いで表示してみます。
うーん、やはり液晶に大きな遅延はなさそうですね。走査線が通り過ぎた瞬間はブラウン管の方が早く、次の走査線が来る直前では液晶の方が早いと言った感じです。
これが今回調べたかったキモかもしれません。早速両方の接続口があるモニタを接続し、ノートPC標準モニタと比べてみます。
VGA接続
HDMI接続
うん、ゲームプレイ上に有意な差が出そうなレベルでの遅延の差はなさそうですね。
と、ここで一つ疑問が。遅延の差が無いというのは、あくまで同じモニタでVGA接続しようがHDMI接続しようが明確な差はなさそうという事であって、ノートPC標準モニタと外部出力モニタの間には明らかに1F程度の遅延の差があります。それも、ゲームの事を何一つ考えていないようなビジネスノートより、古いとはいえ一応ゲーム用途のモニタ遅延が明らかに大きい…?
一応、普段使用の液晶テレビにも繋いでみます。テレビとはいえ遅延カットのゲームモードがあり、海外のスペック計測サイトで十分遅延が少なくゲーム用途にも使えるというお墨付きのあるモデルですが…
あれ、やはり1Fぐらい遅延している。
となると、面白い結論が一つ出てきて、もしかしてノートPCの標準モニタというのは何らかの原因で極めて低遅延…?
確かにノートパソコン搭載モニタは、HDMIやVGAといった外部出力よりダイレクトな接続がされていて遅延が少ない…なんていう話の可能性はあるかもしれません。
ブラウン管は確かに超低遅延だけど、外部出力に関係する遅延が乗っかった結果内蔵モニタと同等の遅延となっている。
外部出力に液晶モニタをつなぐと、外部出力遅延+液晶モニタ遅延で内蔵モニタより明らかに遅延する、という感じになっているのかな…
手元にハイエンド低遅延ゲーミングモニタがあればもう少し深堀出来るんですが残念ながらそんなものはありません。
もしゲーミングノートから今どきの超低遅延を謳うゲーミングモニタに外部出力している人がいれば、同じようにクローンモードでLCD Delay Checkerをかけてスマホで撮影してみて下さい。
もしかしたらノートパソコンモニタの方が遅延少ないかも…?
興味深い結果でした。