電動キックボードを公道で実際に乗ってみた話

先日規制が緩和され、免許、ヘルメット無しで公道で乗れるようになった電動キックボード。個人的にも大変興味があったため早速乗ってみました。

実際に乗ってみた感想に入る前に、自分のスタンスに絡めて少しだけお気持ち表明を置いておきます。興味がない人は飛ばしてください。

 

クリックで展開

自分の観測範囲内ではこの電動キックボード、これでもかと危険性が掘り起こされネガティブなイメージ一色でしたが、自分はあまりその風潮に乗る気にはなれませんでした。

理由としては2つほどあって、一つ目は小型電動モビリティというジャンルに強い可能性を感じている点。自分は前にも記事にしたのですが、折り畳み式のフル電動自転車を所有しています。アシストではなくて、ナンバーを取り自賠責も加入したきちんと原付扱いの公道走行可能な電動自転車になります。これが結構便利で、車載して長距離は車移動、短距離はEVで動き回ることで行動範囲が広がる等、新たな可能性を提示してくれていると感じています。
(当時の記事はこちら)

frofile1p.hatenablog.com

 

二つ目は、「新たな技術、試みに対してリスクを忌避してノーを突き付ける行為」に抵抗があった点です。確かにリスクが生活に密接すぎる点や、所詮はキックボードという枯れた乗り物という点など、リスクを積極的に受け入れるべき目の覚めるような新技術とはまた違うものではあると理解は出来るのですが、少なくとも俺より遥かに知識も経験もあるであろう人達がイケると判断した事ではあって、それを実際に試しもせず頭ごなしに否定するのは自分には無粋に感じてしまうのが正直な所です。

 

以上、お気持ち終わり。とにかく、スタンスとしては乗る前から若干肯定寄りの気持ちを持った人間の意見としてご理解頂ければと思います。

 

さて、それでは早速実際に乗ってみた感想を良かった点と悪かった点に分けて書いてみます。なお、今回はLUUPという電動キックボードのレンタルサービスを使用してみました。所詮は20分程度の試乗体験に過ぎないため的外れな点があったとしてもご容赦ください…

 

良かった点

  • 思ったより機体が大きく操作にも重量感があり、十分慣れた上であれば走行安定性は想像よりは高かった。周囲に危険がない事を確認した上で軽くスラローム走行や段差の乗り越えをしてみたけどちょっとやそっとでは転倒しなさそう。小回りは意外ときかないけど、それが逆にある程度安定性の担保になっているのかも。
  • 多少大きいとは言え原付や自転車と比べれば相当にコンパクト。引き歩きは自転車よりも軽く歩行者モードと車両モードの切り替えは極めてスムーズで、自分で所有すれば近所の移動や車載モビリティとしてフル電動自転車以上に快適な印象。
  • LUUPというサービスは割と便利。スマホ一台で貸出から返却まで完結する上ポートがある場所なら乗り捨て自由なので、上手く出発地と目的地の近くにポートがあれば便利な移動手段になりそう。逆に目的が終わるまで借りっぱなしにしてしまうのは費用的にも意味がなくなる。素直にタクシーを使え。
  • ボタンを押せば走るキックボードという感覚は単純に新鮮で楽しい。

 

悪かった点

  • サスペンションがあまり効いていないため路面の悪さをダイレクトに拾う。車輪が小さい事のデメリットとしては走行安定性よりこっちの方が気になった。立って運転するのが前提なので舗装の荒い路地裏を走ると足から腰へかけて結構なダメージを受ける。
  • 慣れるまではそこそこふら付く。自転車が乗れないような人や極端に運動慣れしてない人、老人なんかが興味本位で乗ると速攻でコケる可能性も十分あると思われた。幹線道路沿いのポートで借りた日にはワンミスで死も見える。
  • これも慣れるまでだろうけど、原付よりも歩行者に近い態勢で乗る関係か歩行者と車両、どちらの交通ルールモードでいるべきか混乱しがち。一時停止の止まり忘れとかはやらかしそうな雰囲気。
  • LUUPのサービス上の問題だけどあまりにも簡単に借りれ過ぎた。もうちょい電動キックボード走行時の注意や機体の操作方法、解説を強制的に読ませた方が良い感。

 

大体こんなところでしょうか。
今回の試乗体験の範囲では、当初の心持ち通りから変わらず面白く便利なモビリティという印象が勝りました。十分運転に慣れた前提であれば交通リスクとしても、自転車を筆頭として既存の免許不要な車両と比べて大きく差がある物とは感じられなかった事もあり、引き続き公道に電動キックボードというツールが進出する事自体は肯定したい所存。もう少し価格がこなれてくれば自分でも一台持ちたい気持ちもあります。

ただ、この「十分運転になれた前提であれば」というのが思ったよりも厄介で、日常的に車や自転車を運転しており、体力もそれなりにはある成人男性の自分であっても慣れないうちはヒヤリとした事があったことも事実です。老若男女多様な層に普及していく上では、練習も無しにいきなり乗り出すのは想像よりもリスキーだと感じました。法的規制とまでは言いませんが、販売にしろレンタルにしろ公道に乗り出す前に安全な場所での走行練習をする事をより強く周知する意識は必要なのではという実感もあり、規制派に対して「違うだろ!」と言いたくなる気持ちはむしろ減退したかもしれません。

 

いずれにせよ、次の機会があればまた使ってみたいと思います。
新たに見えてきたものがあれば追記でもしていきたい所存…